経済の中で共助や互助は、どのようなメカニズムで市場や政府とともに働いているのでしょうか?

このメカニズムがもっと働くように政策や制度を変えていくことができるでしょうか?

センター概要

経済の中で共助や互助は、どのようなメカニズムで市場や政府とともに働いているのでしょうか?このメカニズムがもっと働くように政策や制度を変えていくことができるでしょうか? 共助や互助に基づく働きを広く共同体メカニズムと呼ぶと、このメカニズムは家族、近隣、友人、NPOなどはもちろん、営利企業も含むいろいろな人々の集まりの中で、価格に基づく市場メカニズムや公権力に基づく政府などの公共メカニズムとともに働いています。慶應義塾大学「共同体メカニズム研究センター」の目的は全ての人々の生活が、より良く生きることができて安全になり、かつ摩擦や対立が軽減されることに資することです。この目的のためにセンターは、共同体メカニズムの働きを倫理観や価値観及び利害関係に中立に、科学的な研究を行うとともに、その研究成果に基づいて家族などの2人以上の共同体から人類共同体までのさまざまな共同体内で影響力を持っているという意味でのリーダーたちに提言を行ってまいります。

センター長紹介

経済システムは、大きく公共メカニズム、市場メカニズム、共同体メカニズムの3つのメカニズムの相互作用で働いていると考えられます。共助・互助による共同体メカニズムは、発展途上国が経済成長をする段階で比較的に重要性を失っていく傾向がありますが、高所得国で少子高齢化が進むと、再び共同体メカニズムの重要性が増していくと考えられます。これは、人口の大きい割合を占めるようになっていく高齢者の認知能力が正常な加齢の過程で低下し、場合によっては認知症を発症する高齢者も多いと予測されるからです。また少子高齢化に対応する女性の社会参画のために、保育サービスの重要性が増すことになります。子どもや認知能力が大きく低下した高齢者は一人では市場メカニズムを有効に使えないこと、また少子高齢化で政府財政赤字の問題が深刻化し税徴収などの権力に基づく公共メカニズムには限界があることが予測されます。さらに経済発展の度合いに関わらず、地震、津波、感染症などの大災害の際には共同体メカニズムが重要であります。現代経済学では市場メカニズムや公共メカニズムの研究が主流ですが、行動経済学という新しい経済学では社会的選好やソーシャル・キャピタル(信頼など)の共同体メカニズムの研究に資する多くの研究がなされてきました。 このような状況に鑑み、共同体メカニズム研究センター(Community Mechanism Research Center)の目的は、特に子どもや認知能力が低下した高齢者のように一人では市場メカニズムを有効に使えない人々も含めて全ての人々の生活が、より良く生きることができて安全になり、かつ摩擦や対立が軽減されることに資することです。この目的のため、センターは共同体メカニズムを研究するための理論・実証・政策研究および研究のためのデータ収集において中心的役割を担っていきます。国内外の研究者や他機関と連携しながら、行動経済学や学際的な共同体メカニズムの研究を推進するとともに、その研究成果に基づいて家族などの2人以上の共同体から人類共同体までのさまざまな共同体内で影響力を持っているという意味でのリーダーたちに提言を行ってまいります。この提言は公共セクターへの政策提言を含みますが、それに限定されるわけではありません。例えば夫婦共同体の夫や妻、非営利団体の職員を、SDGsに貢献することに興味のある営利企業の社長や従業員の方々に検討していただきたい提言も行ってまいります。

慶應義塾大学共同体メカニズム研究センター長
同経済学部教授
大垣昌夫

大垣昌夫が一般向けに共同体メカニズムの研究を紹介している東洋経済ONLINEの記事を見ることができます。

大垣昌夫の英語のホームページがMasao Ogaki, Ph.D.にあります。

センター員紹介

※経済研究所のセンター員の選任に関する規定の最近の変更のため、現在、数人のセンター員を置く方向で調整中。

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